気付けば命日が過ぎていた
気付いたら、父の命日が過ぎていた。
退職後のバタバタや体調不良で、すっかり忘れていた。
先月、父の命日に、塔婆を上げてもらうように、
菩提寺にお願いをし、お金も払った。
今年は、7回忌だったはず。
本来なら、法事をすべきなのだろうが、そんなお金はなく。
塔婆を何本上げるかで、母と揉めたくらいだ。
父は、自営をしていたが、何度も失敗し、借金もあった。
それでも、社交ダンスが趣味で、馬鹿みたいにお金を注ぎ込んだ。
今、思えば、よく、そんなんで生活が出来ていたと思う。
借金は、娘の私が返して、多分、私がなんとかすると思っていたのだろう。
家のことも母のことも自分のことも。
だから、私が会社を辞める事も許さなかった。
「お前なんて、どうなってもいい」って言われた事もあったな。
そこからかな?
身体も心も壊してやる!って、イキリ始めたのは。
父の最後の言葉は「ごめんな」だった。
なんで謝るのか、その時は、わからなかった。
死んだ後に、馬鹿みたな借金と、騙されて、とんでもない書類にサインをしている事がわかった。
頭が悪いなりに、色々調べて、無料相談とやらに行きまくった。
行政にも頭を下げ、親戚にも頭を下げ。
でも、誰も無料では、助けてくれなかった。
「最後は孤独死」と覚悟を決めて、貯めていた貯金も、あっと言う間に無くなった。
頼れと言う奴は、頼ったら、甘えるなと突き放す。
元々、人間不信だった私は、もっと、人間不信になった。
説法で「ご先祖さまは、あなたを見守っています」と言う坊さんがいるが、うちの先祖は、自分のことで精一杯の人達だから、私の事なんて、なんとも思ってないよって思いながら聞いてたな。